No.22 トキ(2004/2/11)

 北斗神拳先代伝承者リュウケンの2番弟子。ラオウの実弟。「北斗二千年の歴史の中で最も華麗な技を持つ男」「本来なら彼が伝承者になるべきだった」とケンシロウに称えられるほどの達人。しかし、核戦争時、シェルターの定員オーバー(絵を見る限りは入れそうだった、なんて突っ込みは無粋)のために死の灰をたっぷり浴びて重度の放射線障害になり、伝承者への道を断念。以後、北斗神拳を医学に活かす道を志す。

 しかし、兄ラオウが世界を制覇するべく拳王と名乗り、北斗神拳伝承者ケンシロウと対立するに至り、トキはケンシロウと行動を共にする。ラオウとは2度対決し、1度目は2人の脚を串刺しにする作戦をラオウに取られ、体力面で劣勢に立つ。2度目は、途中までは互角に戦うが、やはり病気による衰えをラオウに突かれ、敗北。ただし、実の兄ラオウはトキを殺さなかった。そのときのラオウの台詞に「病を得ず柔の拳ならばおれに勝てたかも知れない」とあるが、果たしてそうだろうか? 

 ときどき、「トキが健康だったら最強」という意見を見かける。前述のような登場人物の台詞がそう思わせるのだろう。しかし、ケンシロウがサウザー戦に勝利した直後のトキの独り言「ケンシロウ、もはや私が手を貸す男ではない」や、ラオウ戦でのトキの台詞「忘れたかラオウ、私があなたのすべてをめざしていたことを」から、トキ自身は、決して己がラオウやケンシロウより上だと思っていなかったことが判る。まあ、ラオウの件は後付け気味ではあるが、ケンシロウに関しては、登場時から一貫してその才能を高く評価していた節がある。以上のようなことから、健康トキであっても決して最強では無いと思っている。真の天才は、やはり主人公ケンシロウなのだろう。

 とは言え、ラオウと互角にやり合うのだから、相当に強いことは間違いない。加えて、紳士的な物腰や常識的な言動は、北斗世界で際立っている。ルックスも格好良い。回想シーンでの幼少時はめちゃくちゃ可愛い。

 魅力的なキャラなのだが、ラオウ編以降は影が薄くなってしまったのは些か残念。ラオウなどは、死後も度々回想として登場し、ストーリーに大きな影響を与え続けたというのに、

 最期は、放射能障害で衰弱し切った身体にリュウガから痛恨の一撃を受けたことをきっかけに死去。しかも、ケンシロウに殺されたリュウガの遺体を抱えて立ったまま絶命する。兄ラオウもそうだったが、北斗の使い手は立ったままで死ねるんですか? 凄いですねえ。

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