No.33 ユダ(2004/7/4)
この欄では、重要と思われる登場人物を原則として登場順に扱っているが、うっかりユダのことを失念していた。印象に残っていないわけではなく、むしろ逆。色々な意味で特異なキャラであり、議論の余地も多い。
南斗六星拳の一人。南斗紅鶴拳の使い手で妖星の男。かつてレイと共に南斗聖拳を学ぶ。拳王ラオウの軍門に降っていたが、レイが対ラオウ戦であと3日の命となり、ラオウvsケンシロウ戦で両者が傷を負ったことをきっかけに動く。マミヤを誘拐して瀕死のレイをおびき寄せて戦うが、レイとの拳力差は歴然。拳力で敵わないならと、ダムを決壊させて村を水浸しにし、レイの足技を封じて健闘するが、レイの奥義・飛翔白麗の美しさに心を奪われて敗れる。
初めて見たときは、死にゆくレイの花道を飾るための噛ませ犬キャラにしか見えなかった。でも、よく考えると、彼の存在と実力は謎に満ちていると思う。仮にレイの技に見とれて居なかったら勝負の行方はわからなかったのではないか? また、敵方の重要キャラにしては珍しくケンシロウと戦っていないのだが、仮に片腕を負傷したケンシロウと戦っていたらどうなっていただろうか? ユダ自身は「ケンシロウの拳は見切った」と発言しているので、案外ケンシロウに勝ってしまうのではなかろうか?
強さ以外にも、彼は魅力的な謎を提供してくれる。20歳当時のマミヤを誘拐した際にマミヤに手を出さなかったと言っているが、果たして本当か? そして彼は同性愛者なのか否か?
以上のように、実にfantasticな人物である。初登場シーンの褌姿も忘れられない。