No.37 ジュウザ(2004/7/15)
そういえば、このPageからは掲示板のようなものにリンクしていません。別に要らないですよね。私自身、特に他の人から情報を求めることなく、勝手気ままにリンクして文章を書いているだけですから。
気ままと言えば、南斗五車星の一人、雲のジュウザ。ユリアの異母兄。ユリアが妹だという事実を(なぜか)知らされずに幼年・少年時代を過ごすうちにユリアに恋心を抱く。青年になり、真実を知らされたジュウザは、失意の中でケンシロウと共に立ち去るユリアを見送り、無頼に走る。
拳士としては、どの流派にも属さぬ我流の拳を使うが、北斗神拳の先代リュウケンからは「ラオウ・トキに匹敵する才の持ち主」と絶賛される。その腕を見込み、南斗最後の将をラオウに会わせぬための足止め役をフドウから依頼されるが、世捨て人となったジュウザは動かない。やむを得ずフドウの部下が睡眠薬を飲ませ、最後の将のもとへ連れて行く。将の正体がユリアだと知るや、
「よかろう、この雲のジュウザの命、あんたにくれてやる」と決意し、ラオウ阻止に立ち上がる。
ラオウとの初戦での対峙シーンは、全編中でも最も好きな場面の一つである。ジュウザの拳も気迫も衰えていないことを悟ったラオウは、馬から下りて迎え撃つ。
ラオウ:「容赦はせぬぞ」ここでのジュウザの言動、戦い方は実に格好良い。変幻自在の蹴りでラオウを怯ませ、相打ちを狙うと見せかけてラオウの馬、黒王を奪ってみせる。
ジュウザ:「したらお前の負けだ」
ところが、矢張りラオウが実力では一枚上手で、いつの間にかジュウザの腹部に大きな傷を負わせていた。たとえ天賦の才能が同等であっても、長年の放浪生活で鍛錬を怠ったジュウザと、トキやケンシロウと切磋琢磨を積み重ねたラオウとの間には超え難い壁ができていたのだろう。ジュウザは死を覚悟してラオウとの再戦に望む。体に油を塗って敵に密着し強烈な掌打を放つ秘技・撃壁背水掌でラオウに傷を負わせるが、既にラオウに肩の秘孔を突かれていて形勢逆転。最後の手段として、致命の秘孔を突かせておいての捨て身の腕ひしぎ逆十字で腕を折ろうとする。ところが、ラオウは何と片腕一本で技を外し、秘孔・解亜門天聴を突いて南斗最後の将の正体を白状させようとするが、ジュウザは頑として拒み、全身から血を噴き出して絶命した。
えらく長文になってしまった。しかも、原作を読んだ方ならば当然知っていることばかり。それだけ、個人的に思い入れがあるキャラなのである。特に男性の人気が高いのではないだろうか。決して報われることの無い恋。自らを犠牲にして強者に立ち向かう崇高な精神。対ラオウ戦もなかなかの善戦であった。対等に戦えたケンシロウやトキには及ばないまでもかなりの実力者である。南斗五車星の中では間違いなく最強だろうし、南斗六聖拳のメンバーにもひけをとるまい。しかもヴィジュアル的にも格好良い。私的には、現実の格闘技で使われるような関節、打撃技を使う点もポイントが高い。
ただ、女風呂に不法侵入しておいて、管理人を殺してしまった点だけは、ちょっといただけない。あの管理人が悪党面だったことは確かだが…