No.47 ファルコ(2004/8/12)
アインと並んで、帝都編の準主役。元斗皇拳の当代最強の使い手で、帝都の軍を率いる猛将軍。“天帝”を守護する宿命に従う。天帝を幽閉した総督ジャコウの命令に従い、北斗や南斗の使い手を次々と抹殺する。しかし、話が進むにつれ、ファルコは悪人ではないことが判明してくる。かつてラオウが村に襲来した際、村人を守るために自らの右脚を犠牲にした。また、ハーン兄弟による不発弾攻撃の際には、部下の兵士たちが身を投げ出してファルコを守っている。
ケンシロウとの初対峙のシーンやバトルシーンでのファルコは実に格好良い。バットやアインの尽力により、2人の戦いは文字通り水入りとなり、勝負はつかなかったが、判定をつけるなら、僅差でケンシロウ優位というところか。あのケンシロウと互角に近い戦いを繰り広げたことからも、「北斗の拳」屈指の強者であることは間違いないであろう。
ところが、ケンシロウ戦終了後、リンを救うために深手の身体で修羅の国へ渡ったために、名も無き修羅(通称:砂蜘蛛)に敗れ、命を落とすことになる。このため、「ファルコはさほど強くない説」が一部に流布しているようだ。「北斗の拳」最大の矛盾点の一つとも言われている。私としては、ファルコの敗北は物語中でも最大級のアクシデント、番狂わせ、アップセット、ということで納得しておきたい。
ところで、ファルコの臨終シーンは感動的に描かれてはいるが、(ジュウザとかシャチのそれに比べると)個人的には今ひとつ感情移入できなかった。そもそも、ファルコにはリンを救いに行く義務があったのだろうか? 確かに、リンは天帝ルイの双子の姉妹であり、かつてファルコ自身が生まれたばかりのリンを捨てたという経緯はある。しかし、あくまでも現役天帝はルイであり、リンのことはケンシロウに任せておけば良い、という発想はなかったのだろうか? こう考えると、彼の死は犬死のような気がしてならないのだ。