1980年代の前半の日本では(おそらくはシンセサイザーの進歩と大衆化を直接のきっかけとして)前時代には無かった実験的な音を取り入れて作られる大衆音楽、いわゆるテクノポップが全盛期を迎えました。例えばこの時期のアイドル歌謡曲の多くにはテクノポップの作法が取り入れられています。
Shi-Shonenは、そのテクノポップを代表するバンドの1つであったと言って良いでしょう。1981年に結成され、リーダーは後にフェアチャイルド(ヴォーカルは今やバラエティの人となったYou)を結成し、よりメジャーな存在になる戸田誠司氏。
殊に、今回紹介する『憧れのヒコーキ時代』は実験的要素を孕む音の面白さに加え、秀逸なメロディと、シンプルだがポテンシャルの高い歌詞を兼ね備えた佳曲。当時、高校1年生という多感な時期であった私は、CM(日立のLO-D)で流れていたこの曲を聴き、たちまち虜になり、早速レコード店に走ったのです。
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憧れのヒコーキ時代
おまえだけ 連れて行くんだ
青空が昔より 低くなって
溜息が街の硝子曇らせてる
内緒だよ 髪にキスした時
胸の空 横切ったヒコーキ
少年の夏に 飛ばしたまんまさ
憧れのヒコーキ時代
おまえだけ 連れて行くんだ
友達は みんな歯車になって
誘っても 時計の中で笑っている
まぶしいね おまえのスカートが
風に揺れ パラシュートみたいさ
少女の頃から 約束してたね
憧れのヒコーキ時代
おまえだけ 連れて行くんだ