TBS系ドラマ「セーラー服通り」(1986年)

紺野冬美…石野陽子 原秋子…藤原理恵 生島夏樹…紘川淳 田中先生(ピカソ)…小堺一機
花村舞子…MIE 牛込…長塚京三 武居…本間優二 近藤先生…井原千鶴子
校長…鈴木清順 沖田…竹内力 遼二…野村義男 ピカソの母…初井言栄 平山先生…高木美保
長田先生…長州力 真理子…工藤真夕 律子…藤ゆう子 多恵子…嶺川貴子

名曲を主題歌に擁する完成度の高いドラマ

 実は、私は連続ドラマを殆ど観ません。というより、テレビを観ること自体が殆ど無いと言って良いでしょう。高校時代から現在に至るまでずっとそうです。

 ところが、1986年の1月10日〜3月28日に全12回放送されて「セーラー服通り」は数少ない例外でした。たまたま第1話を視聴して面白く感じ、そのまま毎週欠かさず観るようになったのです。

 ドラマの大筋は、校則が異様に厳しい女子高に通う3人の女子高生が、週1回のペースで(笑)友情や恋愛に関する何らかの障害に悩みながら、教師に隠れて漫画家「つづき春」としてのデビューを目指すというもの。いかにも少女漫画にありそうな話なのですが、それぞれの登場人物のキャラがよく立っていたことや、各話のエピソードに結構共感できる要素があったことが印象に残っています。

 各話のあらすじはこちらのpage(いしのようこさんのファンサイト内のコンテンツ)に詳しいです。ここまで詳しく記録なさる方が存在するとは、Webの有難みを痛感します。個人的に最も印象的だった回は、第5話の「 ハレー彗星♥ほしい」です。 女子高生3人組の1人である秋子(藤原理恵)が、冬美(石野陽子)の彼氏である沖田(竹内力)に恋してしまい、1度きりのデートを約束するが、これをきっかけに秋子と冬実の仲が険悪になり、最終的には秋子が沖田を諦めることで仲直りするというもの。沖田が秋子を複数の暴漢から救うシーン(わざと大怪我を負ったフリをして敵を怯ませる)と、ラスト近くで傷心の秋子が夏樹(紘川淳)に抱きついて大泣きするシーン(切ない)が、特に脳裏に焼きついています。

 放映期間は長くないものの、見所が色々あるドラマでした。小堺一機はドラマ初出演。教師の中では唯ひとり3人組に理解を示す存在を演じ、良い味を出していました。当時、私が彼のファンだったことが、このドラマを観ようと思ったきっかけだったはずです。そして、主題歌「My Revolution」は渡辺美里のデビュー曲であると同時に、作曲者の小室哲哉の個性と才能を広く世に知らしめることになった記念碑的な名曲です。

 そして、何より、主役である3人の女子高生の三者三様の個性が魅力的でした。冬実役の石野陽子(現・いしのようこ)は、ドラマ開始前から既に知名度十分のアイドルで、3人のリーダー的存在。秋子役の藤原理恵は、上記の第5話の役回りからも判るとおり、純情かつ清楚な雰囲気。夏樹役の紘川淳は、ドラマが始まるまで知名度がほとんど無いに等しかったのではないでしょうか。しかし、3人の中で一番大人っぽい美人顔で、ドラマ中でも最初から彼氏(野村義男)が居るという設定でした。

 DVD等は発売されていないと思いますが、発売されたら是非買ってみたいのです。

 最後に、3人組を演じた各女優さんの現在を。いしのようこさんは現在も芸能活動を続行中。私の認識に誤りが無ければ、現在も独身なのはいしのさんだけのはず。ドラマでは清純派だった藤原理恵さんは、その後C.Cガールズへの参加(これには驚きました)を経て、現在はダンスのインストラクターとしての活動がメインのようです(公式サイト)。そして、紘川淳さんは、芸能活動から引退し、学業に専念。青山学院大学→東京大学大学院と進み経済学博士号を取得。現在は立教大学経済学部助教授です。紘川淳こと高岡美佳助教授の人生こそ、ひょっとすると最大のドラマなのかも知れません。凄すぎです。

【参考サイト】
Picture Goddess Part1 (いしのようこファンサイト)
Rie Fujiwara Official Home Page(藤原理恵公式サイト)
レビュー22 「失恋ライブラリー」(紘川淳)
高岡美佳の詳細業績(立教大学のpage)
高岡美佳助教授の「企業文化論」(立教大学のpage・顔写真入り)
2ch.懐かしドラマ板 「★★ セーラー服通り ★★

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